伝統の酒造りを大切にまもる一方で、奈良豊澤酒造は新しい取り組みにも意欲的に挑戦しています。2005年10月には、老朽化が進む蔵を全面改装。新蔵での酒造りが始まりました。「全面改装といっても、機械化できるところは
機械化して作業効率を高めるのが目的。手作業で運んでいたところに大がかりな搬送装置を導入したり、装置の配置やレイアウトひとつにこだわってムダを省きながら、一方では品質に直接影響のあるところは創業以来受け継がれた手づくりを今も残し、品質向上につながるよう工夫しました。
より良いものをよりやすく提供したいという思いは、今も変わることがありません」(藤沢杜氏)
例えば麹室。壁や天井一面に秋田杉の杉板が使われ、室に入るとほのかに漂う杉の香りが酒造りへの情熱をかき立ててくれます。
「麹室でなによりもこだわったのは、蒸し米に種麹をまぶして成長させる時に使う床です。今では多くの酒蔵がコンピュータで温度管理していますが、当蔵では今も職人が手で混ぜて蒸し米の温度調節を行なっているんです。麹は
生き物。きれいで美味しい奈良豊澤酒造の酒は、こうした麹造りへのこだわりから生まれているのです」(藤沢杜氏)
麹室は、奈良豊澤酒造の酒造りの生命線でもあるのです。
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「麹室の秋田杉は、節のない杉板だけを選りすぐり、何年も前から天然乾燥させたものを使っています。無節の杉板を使うのは、節があると乾燥して縮んだ時にそれが抜けてしまって、断熱効果を維持できなくなるからなんです」(藤沢杜氏) |
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| 「酒造りは、自然のものを素材にするので、毎年同じ品質でつくり出すのがたいへん難しい。気候も変わるし、米の作柄水の状態も影響する。そんな中で毎年変わらぬ味のものを作り上げるには、人の和(チームワーク)が最も大切なんです」(藤沢杜氏) |
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